マルチ発光という撮影方法をご存知ですか?
マルチ発光とは文字通り、シャッターが開いている間に、スピードライトを複数回発光させて撮影する方法のことを言います。
このマルチ発光を使ってどのような写真を撮影することができるのかというと、あたかも分身しているかのように、1枚の写真に被写体を複数回写し込むことができるんです!
例をあげるとすると、フィギュアスケートのジャンプを連射で撮影した複数枚の写真、これらを1枚の写真にまとめて撮影することができます。
今回の記事では、マルチ発光の仕組みとマルチ発光の撮影方法をご紹介したいと思います。
用意する機材
- 一眼レフカメラ
- ズームレンズ
- スピードライト × 1
- ワイヤレスリモコン
- 三脚
目次
撮影テクニック~マルチ発光の仕組み~
シャッターを開いている間に映像を複数回写し込む!
仕組みは前回の記事で書いた後幕シンクロと同様で、光りが当たったものを映像として写真に写すことができます。
![](https://kaorublo.com/wp-content/uploads/2017/11/technique-rearcurtain-sample04.jpg)
つまり、シャッターが開いている間にスピードライトを複数回光らせて被写体を照らすことによって、スピードライトが光った回数だけ写真に映像が写るということになります。
撮影テクニック~マルチ発光の撮り方~
マルチ発光で撮影するためのカメラの設定!
マルチ発光で撮影するためのカメラ側の設定です。
シャッターを開いている間にスピードライトを複数回光らせるため、シャッタースピードは遅く設定する必要があります。
カメラ設定
- 撮影モード マニュアルモード
- ISO 100固定
- F値 10
- シャッタースピード 3.2秒~
スピードライトをマルチ発光させる設定!
スピードライトの機能に通常発光、マルチ発光を切り替えられるボタンが付いているので、数回押してマルチ発光モードに変更しましょう。
私はCANONのスピードライトを使用しているので、「発光モードボタン」でモードを切り替えています。
※マルチ発光対応のスピードライトのみ
スピードライト設定
- 発光設定 マルチ発光
- 発行量 1/16 ~ 1/32 ※被写体との距離によって調整
- 発光回数 3
- 発光周波数 1Hz
回数と周波数の関係はシャッタースピードの範囲内(3秒)で周波数(1Hz)に対して何回光らせる(3)かです。
つまりはシャッターを開いている3秒の間に1秒間隔で1回ずつ光る設定です。
被写体の動きに合わせてシャッターを開く!
設定ができればあとは動いているもの、自分で動かしたものに合わせてシャッターを開けるだけで、スピードライトが光った回数分映像として写ります。
スピードライトの光りが強く当たればはっきりとした映像が写り、弱く当たれば被写体の露光が少なくなり、被写体が透けて写ります。
撮影テクニック~マルチ発光のまとめ~
いかがでしたか?
マルチ発光の撮影で必要なのは
- スローシャッターの手振れ対策で三脚を使用する
- マルチ発光用のスピードライトの設定(周波数と発光回数)
- 被写体の動きに合わせてシャッターを開く
です。
初めはマルチ発光のスピードライト設定に混乱することがあるかもしれませんが、覚えてしまえば漫画のような1シーンや、普通には撮影できない多重撮影を楽しむことができます。
興味があれば、当記事を参考にしてマルチ発光での撮影を試してみてくださいね!
今回撮影した写真はこちら。
カメラの前にぬいぐるみをつるして、横移動させています。
↑こちらはスピードライトの光りが天井でバウンスしている状態です。
露光が少ないため透けた状態ですね。
今回の記事で撮影に使用した機材はこちらで紹介しています。
![](https://kaorublo.com/wp-content/uploads/2017/10/equipment-list-thumbnail.jpg)
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