後幕シンクロというものをご存知ですか?
後幕シンクロとは文字通り、シャッターが開いたタイミングでは何もせず、シャッターが降りるタイミングでスピードライトを発光させる撮影方法のことを言います。
その撮影方法でシャッタースピードを遅くして撮影することによって、発光している物体から光りの線が光跡のように伸びている写真を撮ることができるんです!
よく見る写真の例としては、車のテールランプの光跡や、剣を振った後の光跡などでしょうか。
今回の記事では、後幕シンクロの仕組みとその撮影方法をご紹介したいと思います。
用意する機材
- 一眼レフカメラ
- ズームレンズ
- スピードライト × 1
- ワイヤレスリモコン
- 三脚
目次
撮影テクニック~後幕シンクロの仕組み~
シャッターを開いている間は映像として写る!
カメラの仕組みとして、シャッターが開いている間は写真に絵が写り込むようになっています。
例えば真っ暗な部屋の中で、自分で発光しているものは映像として写り、発光していないものでも、スピードライトなどで瞬間的に照らすことで写真に写し出すことができます。
この自分で発光しているものとライトで照らしたものの組み合わせによって、例に挙げたテールランプの光跡や、剣の光跡を作り出すことができるんです。
ライトを「カッ」ではなく「シャ」で光らせる!
カメラでシャッターを切ると「カシャ」という音が鳴ります。
その時、シャッタースピードを遅くすればするほど、「カッ」と「シャ」の間の時間って長くなりますよね?
「カッ」でシャッターを開いている間に映像が写り込み、「シャ」で閉じたときに写真となります。
つまり、「カッ」でシャッターが開いているときに光源が動けば、それは光の線となって映像が写り込み続け、「シャ」で閉じる瞬間にスピードライトで被写体を照らせば、被写体を停止させた写真が出来上がります。
例として剣の光跡を挙げると、シャッターが開いたタイミングで光った剣を動かせば、写真に写るのは剣の光跡のみで、剣の振り終わりにあわせてシャッターを閉じれば、閉じる瞬間にスピードライトが光って被写体を映し出すという寸法です。
撮影テクニック~後幕シンクロの撮り方~
後幕シンクロ撮影するためのカメラの設定!
まずは撮影するためのカメラ側の設定です。
カメラ設定
- 撮影モード マニュアルモード
- ISO 100固定
- F値 8
- シャッタースピード 1秒~
手振れしないように三脚に乗せましょう、リモコンがあればシャッターはリモコンで切れたほうがよいです。
また、蛍光灯などの外部の光りは極力少なくしておきます。
※シャッターを開き続けることにより外部の光りを取り込み、写真が真っ白になってしまうため。
被写体を照らすスピードライトの設定!
スピードライトは被写体を明るくするために使用します。
後幕シンクロ設定ができれば、カメラへのクリップオンでもワイヤレスでも構いません。
被写体用スピードライトの設定
- クリップオンで 1/16 ~ 1/32 ※被写体との距離によって調整
- 発光設定 後幕シンクロ
シャッターと被写体のタイミング!
シャッターを切ると同時に被写体に動いてもらいましょう。
「カッ」のタイミングで動き、「シャ」のタイミングで止まるイメージです。
光源を動かす速度、位置に悩むことがあると思いますが、何度も挑戦して感覚をつかんでみてくださいね。
撮影テクニック~後幕シンクロのまとめ~
いかがでしたか?
後幕シンクロの撮影で必要なのは
- 光源を取り込むためのシャッタースピード
- スローシャッターの手振れ対策で三脚を使用する
- 被写体の動きに合わせてシャッターを閉じる
です。
慣れるまでは難しいかもしれませんが、光源を使った後幕シンクロができるようになれば撮影の幅が広がります。
興味があれば、当記事を参考にして試してみてください!
今回撮影した写真はこちら。
※すっぴんすぎるので顔は隠しました。
剣の光跡だけではなく、絵や文字を書くこともできます。
今回の記事で撮影に使用した機材はこちらで紹介しています。

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